2016/03/30

650Cの知られざる魅力に迫る 650Cvs700C クロスバイク徹底比較


自分が乗ってる姿を見たことがありますか?バイクが大きく見えないですか?フレームの形は理想通りですか?欧米人をベースに設計されたサイズのバイクに乗っても、全体の美しさを損なっていたらもったいない。自分のカラダに合った最適なバランスのバイク、そして美しいフレーム形状のバイクに乗るのが、いちばん格好いい…。Ternが提案する650Cサイズのクロスバイクの特長を、700Cサイズとの比較を交えながらご説明いたします。【各画像クリックで拡大】


Ternがクロスバイクをリリースした背景

Ternでは2016モデルより、「650C」サイズのクロスバイクを展開しています。この「650C」とはタイヤのサイズを表す規格のひとつです。スポーツバイクブランドから最も多く販売されているロードバイクやクロスバイクの規格は「700C」というサイズで、主に欧米人をベースに設計されているバイクがほとんどです。しかし、欧米の方々と平均的な日本人の手足の長さや身長は大きく異なります。そこで、平均的な日本人の体格にあったバイクがもっとあっても良いのではと考えました。



比較に使用するバイクの紹介

今回の記事では分かりやすくお伝えするために、Ternで採用している650Cサイズのクロスバイクと、一般的に普及している700Cサイズのクロスバイクを使用しました。


650C:Tern CLUTCH 700C:No Brand
タイヤサイズ:650x28c
フレームサイズ:48cm
適応身長:155〜170cm
タイヤサイズ:700×28C
フレームサイズ:適応身長155cmのものを用意



フレーム形状の比較

まずはじめに、こちらの2つのバイクのフレームですが皆様はどちらがお好みですか?フレームの形には様々な種類がありますが、その中でもTernが最も美しいと考えているのが「ホリゾンタル」のフレームです。トップチューブが水平になっているホリゾンタルフレームのバランスがバイクをより美しく見せれると考えています。


Ternが最も美しいと考えているフレーム形状。トップチューブが水平になっているこのホリゾンタルフレームのバランスが、本来あるべきバイクの美しさであると考えている。


700Cのバイクでは、小柄な方に合わせた小さなサイズのフレームはスローピングの角度がきつくなる。

同一車種のタイヤのサイズは同じなので、サイズの調整はフレームや、サドルの高さ、突き出しステムの角度や長さで行います。大きいサイズを基準にして考えると、サドル、ハンドル、ペダル間の寸法を縮めるために、トップチューブを斜めにせざるを得えなくなり、小さなサイズにするほどその角度がきつくなることで、フレーム本来の美しさが損なわれます。

また、体格によってはさらにサドルを低くし短いステムを装着せざるを得なくなり、せっかく気に入って購入したバイクが本来の美しさを発揮できず残念な印象になることもしばしば…。Ternのクロスバイクでは、小さいサイズでも美しいフレーム形状をキープできる、ひとまわり小さい650Cサイズのタイヤを採用しています。



タイヤサイズの比較

タイヤのサイズを表す規格(呼び寸法)には「ETRTO」、「ISO」、マウンテンバイクや小径車でよく使われる「インチ系」、ロードバイクやクロスバイクでよく使われるmm表示の「フランス系」などがあり、700C、650Cといった表記はフランス系の規格となります。
因みにシティサイクル(軽快車、いわゆるママチャリ)の多くは26インチで「インチ系」を採用しています。「ETRTO」は、バイク用タイヤの規格が乱立しているために併記されるようになった統一基準です。

では、650Cと700Cのタイヤのサイズを比較してみます。


タイヤのサイズ自体は少しの差に思えるが、この差がバイクの設計に大きく影響する。

過去には、650Cサイズのバイクでツール・ド・フランスの山岳ステージで結果を出した選手もいますし、トライアスロン界での伝説の名車も存在します。700Cと650Cのどちらが優れているか、ではなく、シーンやライダーの体格によって適正なサイズが存在すると考えられます。



バイク単体でのバランスの比較

見た目でバイクを大きく構成するのはタイヤとフレームです。ここではタイヤとフレームのバランスを見てみましょう。今回は平均的な日本人の体格に合わせて小さめのフレームサイズのバイクを使用していますが、フレームサイズが小さくなればなるほど、フレームの大きさに対してタイヤの占める割合が高まることになります。


タイヤとフレームのバランスがとてもいいTernの650Cクロスバイク。


フレームに対してタイヤが大き過ぎる印象の700Cクロスバイク。



ライダーとバイクのバランスの比較

洋服を選ぶとき、靴を選ぶとき、バッグを選ぶとき、いちばん大切なのは「サイズ感」です。ここで、注目していただきたいデータを引用しておきます。


20歳以上男女別平均身長値比較
出典:Human Height-wikipedia ※欧米人の身長はアメリカ、ドイツ、イギリス、フランス、カナダ 5カ国の平均値より算出

「サイズ感」が大切なのはバイク選びも同じです。どれだけ格好いいバイクでも、あなたの体格に合っていなければ見た目は正直残念な姿に…。思っている以上に、周りから見られています。大きな前後タイヤに挟まれた感があると、格好悪くないでしょうか。


ライダーとバイクのバランスが良くてスマートに見える650Cクロスバイク。


小柄な体格の方に無理矢理合わせたために、いびつな形状となっている700Cクロスバイク。

実際に乗車した際のバランスも見てみましょう。


小さなサイズのフレームでも、タイヤのサイズが少しコンパクトなので、ライダーとバイクのバランスも美しい。


街中でよく見かけるスタイル。大きなタイヤに挟まれて、バランスが良いとは言えない。また、ハンドルの高さに対してサドルだけが下がるので、スポーツバイクとしての正しい乗車ポジションもとることができない。

乗車する本人にとっては見た目など気になりませんが、オシャレなバイクに乗りたい!って思いますよね。洋服を選ぶのと同じで、走るだけがバイクではないはずです。選び方にもこだわれば、もっと愛着が沸いてきます。バイクもバッグや時計の様に、自分を表現する大事なファッションの一つです。

全ての方に当てはまるわけではありませんが、男女問わず日本人の平均的な身長である145〜173cmの方にとっては700Cよりも650Cの方がベストなバランスであり、バイク本来の性能と無理のない乗車ポジションを提供できるとTernは考え、日本人にあった新しいクロスバイクを提案しています。



Ternのクロスバイクについてまとめると


*街中で乗るなら漕ぎ出しの軽さと取り回しがよい650Cがオススメ。
*身長170cm以下の方や小柄な女性でも、ホリゾンタルの美しいフレームに乗りたい方へ。
*身長170cm台の方でも欧米人とは体格が異なる日本人には650Cが美しい。
*700Cロードバイクで52サイズまでの方は、650Cの方が最適なポジションを取れる。
*ライダーの体格にあったサイズのバイクに乗ることが美しさに繋がる。

良いことばかりご説明しましたが、「新しい試み」ということは「流通が少ない、展開するパーツが少ない」ということが言えます。特にスポーツバイクの消耗品であるタイヤ、チューブ、ホイールは700Cと比べると多いとは言えません。そこでTernでは、それらのパーツを生産工場と連携し、自社管轄で製造しています。自社で製造を賄うことにより皆さまに安心してより長くお乗りいただけるよう、製造システムを新たに構築しました。また650C用のフェンダーなども新たに製造しています。お一人お一人に合った一台を提案できるよう、今後もサイクリングパーツの開発を進めていきます。









私たちは、いつも考えていました。欧米人が格好良く乗るクロスバイクに、日本人が乗っても格好いいのだろうか?身長に合うよう目一杯調整したとしても、手足の長さは異なるため、乗り姿の美しさに限界を感じないだろうか?

そこでTernは、日本のカルチャー・ファッション・ライフスタイルだけでなく、日本人の体格にまで焦点を当て、より日本人に適した作品を生み出すために結成された「Kitt design」と手を組み、新世代のクロスバイクを開発しました。フレーム本体の美しいデザインはそのままに、日本人ライダーの“乗りやすさ”と、乗車した時の“美しいスタイル”を追求した、ホイールサイズ650C、ホリゾンタルフレームの日本人仕様のクロスバイクをリリースしました。





キーボードに備わる修飾キーのひとつであり、ハードウェアのスムーズな操作に欠かせない「⌘」のような存在。日本人ライダーをさらに輝かせ、今まで見たこともないCOOLな世界へ導くクロスバイク「⌘ COMMAND PROJECT」で、いつもの街を、知らない街を駆け抜けてみませんか。




※この記事は700Cバイクを否定するものではありません。
※全ては個人の好みに左右されます。
※Ternのクロスバイクの詳細についてはこちらをご覧ください。