2020/06/05

リアル配達員が噂のE Bike「Vektron」をフードデリバリーで使ってみた

年明け早々から深刻化した新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛やテイクアウトのみで営業する店舗の増加により、街なかでは大きなリュックを背負って走り回るフードデリバリーサービスの配達員たちが目立つようになりました。そこで今回Ternでは、普段から神戸の街を日々走っているUber Eats配達員の方に実際にTernのE Bikeに乗っていただいた様子をとおして、高い走行性コンパクトな収納性を併せ持つVektron S10と、圧倒的な積載量を誇るHSD P9を改めてご紹介します。



<デリバリーを強力にサポートするVektron>

今回ご紹介するTernのE Bike 1台目は、短時間充電&長距離アシスト走行が魅力のBosch製 eBike Systemを搭載したフォールディング バイク Vektron S10(ヴェクトロンS10)です。

 あらゆる天候のコンディションでも優れた制動力をもつドイツの老舗メーカー  MAGURA のディスクブレーキ、バッテリーから給電されるため充電の不要な前後ライト、信頼性の高いShimano Tiagra 10段変速など、配達員を強力にバックアップする機能が標準装備。今回は前後ホイールにVektron専用のフェンダー(泥除け)も装着した。

Vektronではサドルの高さ調整に加え、ハンドルの前後位置や高さ調整が工具を使わずワンタッチででき、スポーティな前傾姿勢からアップライトで楽な姿勢まで状況に応じて気軽にポジションを変更できます。ロードバイクだと前傾がきつくて配達用バッグが斜めになりがちですが、アップライトなポジションだとバッグを水平に保って走ることができます。

 アップライトなポジションだとバッグを水平に保てるので、気を使いたいフードをデリバリーする際には特に都合がいい。

 前傾姿勢でのスポーティな走行イメージがこちら。サドルの高さ調整に加え、ハンドルの前後位置や高さ、角度の調整が工具を使わずワンタッチでできる。

Vektronで出せる最高速度は競技用に作られたロードバイクには敵いませんが、停止状態から道路交通法で規定される24km/hまでは強力にアシストされ、30〜40km/hはその惰性で軽く走ることができます。度重なる信号でのストップ&ゴーには電動アシストを、お店や配達先では乗り降りにしやすい低床フレームを、細かい路地での取り回しには20インチの小径ホイールサイズを有するVektronが、街なかで活躍する配達員に最も有利なバイクだと言えます。

 フードデリバリーでは乗り降りの頻度が高く、街なかは信号の数も多い。

都内など街なかでも意外と多いのが坂道。特に今回の神戸三宮付近は山と海に囲まれた街で、横浜と並んで急な坂が多くて有名な街です。そんな時に重宝するのが、Vektronの電動アシスト。元々10段変速でシーンに応じた走りができますが、急な坂道や疲れた時などにONにすると強力なアシストで「いつまででも走れそう!」という気持ちになります。

 Vektronでは電動アシストユニットにドイツBosch社製 Active Line Plus, 36V/250Wを採用。4つのアシストモードを有し、パワフルながらも自然な滑らかさと静かさが特徴。わずか2.5時間でフル充電でき、1回の充電で最長100kmのアシスト走行も可能。近所を散策する程度の用途にはオーバースペックな印象があるが、充電回数が減るということはバッテリーの劣化を最小限にできるというメリットもあり、デイリーな用途にも十分メリットがあると言える。

Vektronが他の多くのE Bikeとは異なる最大の特徴は、フォールディングバイクであること。コンパクトに折りたたんで屋内で保管できるので風雨に晒されないほか防犯上も有利で、室内でも場所を取りません。折りたたんだ状態で転がすこともできるので、狭いエレベーターでもスムーズに利用できます。


 Vektronを含めTernのフォールディングバイクの最大の特徴は、直感的でシンプルな折りたたみ方を採用しているところ。一度見たら理解できるので、何度も練習して慣れが必要といった心配も不要。

また、オプションパーツが豊富なTernでは、Vektron専用のオプションも豊富にご用意しています。こちらのVektron S10(Color:Dark Silver/Silver)にはVektron専用リアラックを装着しています。用途に応じたパーツを装着することでオフの日は普段使いからキャンプまで、様々なシーンで活躍するのがVektronです。

 写真の車体には専用のフェンダー、リアラックに加え、チェーンガードも装着。裾幅の広いパンツやスカートをチェーン汚れから防ぐ。

 Vektronのコックピットに装備された、Bosch eBike Systemsのディスプレイ「Intuvia」。夜間のみならず明るい日光下でも視認性の高いディスプレイで、速度、走行距離、走行時間、航続距離といった走行データを確認できる。また、左親指で操作するリモコンにより、運転しながら簡単かつ安全にアシストモードの切り替えやディスプレイを操作することが可能。ハンドルバーは前後位置、高さ、角度を瞬時に変えられるので、状況に応じて最適な乗車ポジションを得られる。

今回の記事では、普段から神戸の街をUber Eats配達員として走り回っている杉山さんに、Vektron S10を試乗いただきました。

 ポロシャツのインナーに、究極の快適性を実現したハイテクアンダーウェアOUTWETのALTEREGO 1(Color:ホワイト)を着用。本来アンダーウェアに求められる汗の処理と体温調節機能を追求してたどり着いたハイテク素材「ドライヤン」が採用され、身体の疲労を劇的に軽減する。OUTWET製品なら発汗抗菌作用で汗の匂いも気にならないので、配達先でお客様に接する配達員の強い味方になるだろう。


神戸では飲食店の集まる海側から、住宅街の多い山の手へのデリバリーが多いため、坂道を走ることがほとんどという杉山さん。「本当に高低差の大きい神戸には欠かせない自転車だと思いました!エコモードでも凄く走りやすいし、それでいてスタイリッシュでコンパクトなのが一番の驚きでしたね!ハンドルの位置も簡単に調整できて登坂やロングなどシーンやどんな服装にも合わせた乗り方を出来ますし最高でした!」と嬉しいコメント(原文ママ)をいただきました。杉山さんはタイヤがスリップしやすい雨の日以外はロードバイクでデリバリーをされていますが、今回の試乗では強力な電動アシストに加え、グリップ力の強い極太タイヤや雨天時でも制動力の落ちにくいディスクブレーキ を標準装備した、Vektronを高く評価いただきました。極太タイヤは振動吸収生にも優れるので疲れにくく、1日中走りまわるデリバリーの仕事にもお勧めです。


自転車には様々なタイプが存在します。日本で昔から一般的に広まっているのは軽快車(通称ママチャリ)ですが、もう少しスポーティーに走りたいと思ったらクロスバイクが選択肢に上ります。そして街なかでのストップ&ゴーの多さや、細い路地での取り回しを考えると小径車(ミニベロ)が、さらに自宅での保管や乗り物での移動を考えると気軽にコンパクトにできるフォールディングバイクが有利になります。そこに電動アシストが加わった究極の製品が、今回ご紹介したVektronとなります。


<Eカーゴバイク HSDとは>

TernではフォールディングバイクのVektron S10に加えてもう1台、HSD P9というE Bikeをラインナップしています。HSD P9の最大の特徴は、一般的な自転車よりもコンパクトなボディーデザインでありながら、圧倒的な積載量を誇るカーゴバイクであることです。Vektron S10と同じBosch Active Line Plus電動ユニットを搭載し、300Wh batteryで最長100kmの走行が可能。デフォルトでも普段使いには十分なリアラックが装備されていますが、今回はさらに積載量を増やすことができる専用アクセサリーを前後に装着してみました。
*参考Link → 『HSD』の魅力!積載量を最大限に活かすアクセサリーのご紹介

 フロントラックはヘッド部に直接固定するTransporteur Rack、リアラックは標準装備のラックに取り付けるShortbed Trayを装着。HSDはフレーム自体は折りたためないがハンドルポストが折りたたみ式のセミフォールディングバイクで、屋内のちょっとした隙間に立てて保管したり、クルマの荷台に載せるのに重宝する。

フロントのTransporteur Rackには最大20kgまでの荷物の積載が可能。底面は30×40cmの大きさで、幅の広い荷物にも対応します。カスタムSuntourサスペンションフォークが走行時の振動を吸収してくれるので、デリケートなフードのデリバリーにも安心して利用できる。配達用バッグを背負わなくても済むと、夏の暑さ対策や疲労防止に大きなメリットとなります。

 フードデリバリーに限らずプライベートでも、バッグをラックに載せられると身体の疲労度が劇的に軽減される。荷重の問題だけでなく、背中が蒸れて汗をかくこともない。写真のバッグはTransporteur Rackの底面サイズに合わせ、杉山さんが普段使用している「新黒」と呼ばれるUber Eats配達用バッグよりも横幅が3cm小さいタイプを用いた。

 サスペンションフォークに加え、ワイドリムとスルーアクスルハブ、太いSchwalbeタイヤにより高い衝撃吸収と対荷重強度を実現。SchwalbeのRaceGuardパンクプロテクションが、高い耐パンク性能を発揮する。サスペンションにはちょっとした段差による手の疲れを軽減するメリットも。Shimano製の油圧式ディスクブレーキを装備し、悪天候時でもしっかりと停止することができるので、雨の日だけでなく、雨上がりの濡れた路面を走行する時にも有利。

リアのShortbed Trayには最大35kgまでの荷物の積載が可能。60×40cmの大型サイズで、荷物の形状に合わせて縦横を入れ替えて装着することもできます。

 暑い季節にバッグを背負うと背中が蒸れて大変だが、ラックに載せれば背中は快適で、荷物も斜めにならない。重くて大きなものも載るので、これでキャンプにも行ける。リアラックへのバッグの固定には、今回は100kgの締め付け強度をもつオプションのBatten Strapsを使用した。長さも3mあるため、荷物をしっかりと固定できる。

HSDはVektronよりもアップライトなポジションでの乗車に向いているため、配達用バッグの水平をキープして走ることができます。


HSDはフォールディングバイクのVektronとは異なり、フレームは折りたたまずにハンドルポストのみを折りたたむセミフォールディングと呼ばれるタイプ。カーゴバイクとしての強度を十分に持ちながらも、ワゴン車に積み込んだり、縦置きすることで屋内のちょっとした隙間で保管することが可能です。

 海外に比べ面積の狭い住居の多い日本では、玄関や土間でちょっとした家具の隙間などに立てて保管するのも便利だ。HSDの車体はVektron同様ワンサイズで、サドルの高さ調整に加え、ハンドルの前後位置や高さ調整が工具を使わずワンタッチで可能。体格が大きく異なるファミリーでシェアすることもできる。


HSDにはAbusのロック鍵が標準搭載されています。高額車体を屋外に駐車する際に多大な安心感が得られるほか、頻繁に乗り降りを繰り返すデリバリー配達員にとっても実用的です。


車種は異なりますがTernが海外で展開してるGSDも、様々な国のデリバリーの現場で活躍しています。



<今回使用したバイク>

スポーツバイクをベースに、小型で高性能な電動ユニットを搭載した最先端の電動アシストバイク E Bike。これまでにないスポーティーな走りと、快適な走行が実現されたことで、欧米をはじめとした海外では次世代自転車として注目を集めています。Ternは、いち早く新たなマーケットに着目し世界最大のユニットメーカーであるドイツBOSCH社とタッグを組み、高性能電動アシストバイクを2018年に発表しました。90年代前半に日本で誕生した電動アシスト自転車。今回ご紹介したバイクでは、スポーツ・フィットネスだけでなく、荷物の運搬や⼦供と⼀緒にサイクリングを⾏うなど「E Bike」ならではの新たな⾃転⾞の楽しみ⽅が広がります。
*Link → Tern E Bike 特設ページ

Vektron S10 Link→Vektron S10特設ページ / スペック等詳細
我々のULTIMATE COMMUTERであるVektron。最先端技術を駆使し誕生したBoschの最新システム「Active Line Plus 」を搭載。 スポーティかつ安定感のある走行性だけでなく、誰もが利用しやすいコンパクトな収納性と携帯性を併せ持つ、「あらゆる実用性を兼ね備えた次世代コミューター」である。
Speeds:10
Weight 19.8 kg
Suggested Rider Height (cm):147 to 195
Seatpost to Handlebar (mm):620 to 690
Saddle to Pedal (mm):680 to 1110
Folding Size:W86×H65×D41
*関連Link → 『e-bike大賞2019』結果発表!
*関連Link → プレミアムeBikeで巡る 麗しの桜の都 大阪上町台地の花見隠れスポット

Color:Matte Black/Black (Bright Blue) 


Color:Dark Silver/Silver
*画像の車体にはオプションのフェンダー、リアラック、チェーンガードが装着されています


HSD P9 Link→HSD P9特設ページ / スペック等詳細
アップライトな乗車ポジションにより、とても乗車しやすく扱いやすいだけでなく、ライダーの身長許容範囲が広いため家族でシェアすることが可能。多くの荷物を運ぶことができる。
Speeds:9
Weight:25.7 kg
Suggested Rider Height (cm):150 to 195
Seatpost to Handlebar (mm):490 to 590
Saddle to Pedal (mm):490 to 590
Folding Size:W163×H40.5×D86
*関連Link → 『HSD』の魅力!積載量を最大限に活かすアクセサリーのご紹介

Color:Dune

*記事で使用した車体にはオプションパーツの前後ラックが装着されています



*当記事でご紹介した製品は、Tern E Bike取扱正規代理店でお買い求めください。
*当記事に掲載している情報は、2020年6月時点のものです。フレームカラー、スペックなど製品の仕様は予告なく変更されることがあります。詳しくはTern公式サイトで最新情報をご覧ください。